2024年9月4日に、六古窯共創ネットワーク構築事業の一環として、六産地の事業者を対象にオンラインセミナー「阪急うめだ本店の地域のものづくりを伝える売り場の作り方」を開催いたしました。
ゲストに阪急メンズ大阪の小野氏ら4名をお招きし、阪急うめだ本店が、なぜ「ローカル」に着目し売り場を展開しているのか、また、その取り組み(with Local)についてご講演いただきました。講演後には、取り組みについてより理解を深めるためにミテモ株式会社の澤田氏をお招きし、パネルディスカッションを行い、その後に六産地で取り組みたい企画についてアイデア出しをグループワークで行いました。
オンラインセミナーの様子
<講演/パネルディスカッション概要>
- なぜ「ローカル」に着目し売り場を展開しているのか?
「お客様の志向がここ20年で大きく変わってきたことが主な理由の一つ」と小野氏。これまでは機能や記号(有名ブランドを選ぶことの安心感)といった「もの」の持つ機能的な価値を重視した購買が主であったが、「もの」の持つ背景や文化的価値を重視した購買に変わってきている。更にそこから自己実現や暮らしぶりに対する価値を重んじてきている。阪急メンズ大阪では、日本のものづくりの技術や文化の継承に貢献するという想いのもと、地域に根付いた日本のものづくりの良さやその背景をお客様の体験を通じて楽しみながら知っていただくことを大事にしている。「With Local」という言葉にその想いを乗せて取組んでいます。
- 「With Local」の取り組みについて
阪急メンズ大阪では、日本のものづくりの良さを伝えるために、「もの」を展示販売するだけでなく、「体験」の提供に注力されており、数多くの事例をご紹介いただきました。体験を通すことでお客様が楽しみながら社会や環境を意識するきっかけを作ったり、価値観を共有する生活者と産地(作り手)を繋げる場作りなど、「体験」を軸とした様々なコンテンツを産地(作り手)と共に実施しています。
コンテンツの事例(一部);
- こどもカレッジ
- 余白力発電所
- 和歌山大莫小
また、企画を検討する際に、「わかりやすさ」と「クリエーション性」を大切にしながら検討していることを教えていただきました。顧客ニーズの高い(お客様に関わりのある)「わかりやすい」テーマ設定と、お客様が能動的に関われる余白作りといった「クリエーション性」を引き出す要素が両立するとお客様の支持を得やすいということを、これまでの事例をもとにご紹介いただきました。これから共創ネットワーク事業の企画を考えていく上で、貴重なヒントとなりそうです。
<グループワーク>
グループワークの様子
セミナー後半では、これまでの気付きやヒントをもとに、グループに別れて共創ネットワーク事業としてやってみたいことのアイデア出しを行いました。グループワークでは、焼き物と密接に関わる「中世の暮らしの創意工夫」や「土の違いによる用途の使い分け」など、お客様の暮らしに関わるテーマについて活発な意見交換が行われ、新規事業について考え議論していく土台作りとして、非常に有意義なセミナーとなりました。